【ダンゲロスmore】完走した感想【前編】
対戦ありがとうございました。
というわけで、ダンゲロスmore1回戦お疲れ様でした。
本当に充実し続けた日々を過ごさせて頂きました。
感想や感謝はTwitterで既に行なっているので、ここでは裏話的なやつをつらつらと語って行きます。
目次的な
- はじめに
- moreにおける自分のテーマ
- 赤月ショウキというキャラ
- プロローグ
- 【↑ここまで前編】
- 対戦相手発表
- 第1回戦開始
- 結末
- おわりに
はじめに
Twitterでも言いましたが、自分はこれまで誰よりも面白い作品を書くことは意識しても、目の前の人より面白い作品を作らないといけないという経験があまりありませんでした(ウケの良いところを探し、顧客となる読者層のニーズに合わせることを95割としてやってきました)。
さらに能力バトルもの(しかもオリジナル)なんてのを妄想から形にするのは初めてだったので、本当に貴重で楽しい経験ができました。
もし次があるなら今回とは違い、面白いモノで優勝を目指したいですね。
moreにおける自分のテーマ
ズブの素人がどうやって勝つのか。
この問題は誘われた時━━━━いいえ、ダンゲロスnoreを読んだ時からひいては2年前、ぴくDAにて小説を書き始めた時からずっと考えていました。
自分の目指す小説もとい世界観って薄いんですよね。薄っぺらいという意味ではなく、吹いたら消えてしまうような雰囲気を纏った絹みたいな。汎用性は高いけれど絶対的なセンスが欠けているんですよね。まさに低コスト良品質の量産型。
しかし、バトルを軸に添えた話を作る場合そうはいきません。雰囲気はあくまでもアクセントであり、メインは濃厚なラーメンのようなバトルシーン。これが読者から求められているものだと思っていました。
でも別に求められているものを書かなくても良いよね。
それ以上に面白いものを提供できたなら全く問題はありません。ですが、上記にも書いた通り、自分はセンスを持ちません。今回の参加された8名でもブッチギリで最下位だったと思います。
センスで負け、技術で負け、お題に対する経験値でも負けている。参加者と自分の分析を一通り行い、実力を比較したら最弱ということがわかりました。
最弱と分かればあとは簡単です。いつも通りやれば良い。自分にとって強いフィールドを作り、バフとデバフを盛りまくり、価値を錯覚させ、生まれたワンチャンを掴み取れば良いのです。
というわけで、ジャイアントキリングを狙いました。
赤月ショウキというキャラ
主人公を作ろうと思いました。
理由として、主人公は読者が共感して、応援してくれる(勝ってほしい、願いを叶えて欲しい)と思ってくれるキャラだと思います。
ダンゲロスは自己欲を証明するバトルであり、作者は自キャラを主役として物語を紡ぎますが、主役と主人公は似て非なるものです。ゆえにここは空席です。
つまり、企画全体としての主人公枠を取ることは、読者からのバフが一番多く入るということです(逆に対面にはデバフが入ります)。
これを利用しない手はありません。
というわけで、テーマは主人公になりました。
設定はそれに添って要素を決めました。
分解していきましょう。
- ■キャラクター名
- 赤月 ショウキ(しゃずき ――)
名前はカタカナで覚えやすいものにしました。一応、ショウキは笑鬼、勝鬼、焼貴とか色々考えましたが、どれもパッと読めないのはマイナスだと思いました。苗字が読みづらいのは、間違えるたびに名前を覚える機会が増えると考えたからです。
- ■性別
- 男性
この手の企画は比率の低い方が目立って有利です。
参加者の性格から女の子が多いと思い、埋もれないよう白一点(または二点)を狙いました。予想通りでしたね。
ちなみに余談があり、自分はここ2年ぐらい女の子を作ることが多かったので、久しぶりに男の子を作りたいと思っていました。
- ■願い
- 帰る場所を守れるようになること
彼は孤児院の育ちです。孤児院は彼の卒院と同時に閉館になるので、その場所を守ることを目的(願い)としています。
ただ、具体的な背景や内容は全く決めていませんでした。ここをちゃんと決めなかったのは、甘えだったなぁと思います。
- ■設定
- 彼は世界で最も頭の悪い生き物――――そう、男子高校生だ。
主人公とは通りを吹っ飛ばす生き物です。ゆえに頭悪くなって貰いました。
この設定は対面に対するデバフです。
ショウキくんは、周りが殺し屋や師団長クラスの中にいるただの一般人。
面白い話にするには面白い戦いが必要ですが、ワンパンで彼はやられてしまうでしょう。
ゆえに作戦を立てづらいキャラメイクをし、選択肢を削ろうと思いました。
- 孤児院で暮らす普通の魔人。市立高校の三年生。お調子者で、短気で、バカなやつ(自称親友Aより)。
- 以下略
外見ですね。
文字は多いですが、特に中身はありません。狙いは公開情報を多くすることで、飛び道具を封じることです。
この後もこんな感じです。
- ――――男子高校生に常識は通用しない。バカだから。
- しかし、それゆえに、彼らは世界を変えるのだ。
ちょっといい雰囲気にしたくなりました。なにをするんだろう?という期待感が出ていれば幸いです。
- ■能力
能力は僕の趣味でわかりやすいものにしようと決めていました。あまりに拡張性が高いとできることの予想が付かず、想定外の事態で負けることになると思ったからです。
また、読者が「この能力なら自分はこうするな」と思ってくれる形を目指しました。その方が楽しんで読め、ワクワクを刺激できるかなと。
さて、狙うジャンルとしては連想ゲームタイプ(咲夜くん)かワンコンセプトタイプ(ミコトちゃん)です。
前回連想ゲームが流行っていたので、今回は後者を選びました。
- 『炎属性付与(エンチャント・ファイア)』
- その名の通り『炎属性』を与える能力。火を噴けるようになったり、熱量を増幅させたりすることができる。
どこかで聞いたことがある名前ですね。
つまりみんなイメージできるということです。
そして、今回の舞台は水の世界。対面はどうやって戦うんだ? と、頭を悩ませてくれたでしょうか。僕の方はまさか水の世界で炎が勝つなんて!をやるだけで良いので、この能力は選び得だと思いました。
- 主な対象は無機物や道具と認識したモノ。生き物に与えることができないわけではないが、コントロールが難しいためあまり得意ではない。
- 以下略
能力の解説です。
僕は「そんなん書いてなかったじゃんか!」と言われて勝つのだけは嫌だったので、できることを全部書きました。この能力はここに書かれたことが全てであり、あとは僕と対面と読者による発想力の勝負です。
結論から言うと失敗しました。
- 泳げない。
文字数が余ったので入れました。
一回戦の戦闘内容は提出前に決まっており、使う気はほぼありませんでした。
対面が困ってくれたら良いなぁ、話題になったら嬉しいなぁ、海に落ちる舞台なら面白くなるかなぁぐらいの気持ちで入れてあります。
- まとめ
赤月ショウキくんは弱いけれど、叶えたい願いのためにガッツを奮い、たった一つしかない相性最悪の武器を使って戦うキャラになりました。
個人的にはよくできたと思います。読者ウケも良かったですし、何より楽しく動かせました。
プロローグ
ショウキくんのキャラ性を固めました。
プロローグで必要なことは、能力の設定および解説です。
でも、ショウキくんはキャラ設定でだいたい書き尽くしたので、あとはキャラ性を広げて固めて転がしていこうと思いました。ダンゲロス参戦キャラにおける設定公開の延長にあるプロローグではありません。
今回はキャラクター性と卓外戦術で戦うことにしたので、赤月ショウキくんを紹介することになりました。
ゆえにプロットのバトルも簡単だけどインパクト重視、あとは彼がどこで笑って泣いて怒るのか。一回戦を読んだ人が彼の感情に共感して貰えるようなものにしたいと思いました。
最低限のバトル、守りたいものとその関係性、爽やかな空気感、応援したくなる立場……この辺を意識していました。
プロローグでは目的は七割達成できたかなと思います。
残りの三割は技術不足による説得力の欠如。雰囲気だけで進んでいくので、じっくり読むと「んん?」という点がいくつも出てきてしまいました。惜しい。
とりあえずここまで。
一回戦発表からはまた後で。